一周忌

あれから一年経ったんですね。
2ヵ月くらい前からもうすぐ一年もうすぐ一年って・・
ヨーゼフのことを考えないようにって
思えば思うほどヨーゼフは私の隣にいないんだなって

その日は、土曜日
一緒に寝ているヨーゼフがその日に限って私を起こしてくれません
私からヨーゼフ朝だよ
もう起きてお散歩に行こうね
って声を掛けても頭を上げて私を見るだけ・・
ふらついて起き上がれませんでした
こんなこと今までなかった
どうしたのよーヨーゼフ

午後からオケの練習があるからお昼には外出しないといけないのに!!
とりあえず通院している病院の先生に電話して
タクシーで急いで病院に向かいました
いつものヨーゼフは
クルマが大好きだから窓から顔を出して得意気にしてるのに
その日は私の腕の中で身動きひとつしませんでした・・

先生に注射してもらって
いつものヨーゼフならすぐに元気になるのに
その日は、効果なし
「今夜、入院するかは少し様子を見て考えましょう
夕方になったら連絡をするのでそれまでお預かりします」
と先生から言われました

看護師さんに抱かれたヨーゼフ
とってもさみしそう
しばしのお別れですね
先生から元気になるまでトリミングは禁止と言われていたので
お顔がちょっとボサボサかな・・
「ヨーゼフいい子で待っててね
あとで向かいに行くからね
元気になってトリミングしてきれいになろうね」
ヨーゼフのお顔をなぜながら
これがヨーゼフと話した最後のことば

後ろ髪を引かれる思いで病院をあとにしました
そして急いでオケの練習に向かったんです

シューベルトのグレイトを無心で弾いていました
演奏中なぜか涙が溢れて楽譜が読めません
練習休んでヨーゼフのそばにいてあげればよかった
ごめんなさいヨーゼフ

午後5時に練習が終わって携帯見たら
留守電に先生からの伝言が・・午後2時7分
「お話したいことがあるのでこの伝言を聞いたら電話ください」
え〜どうしたのヨーゼフ
怖くて電話できない
練習場から30分で病院に着く
このまま電話しないて病院に行こう

病院の受付では、さっきヨーゼフを抱いていた看護師さん
いつもヨーゼフをかわいがってくれました
私が到着したら目を伏せて先生を呼びに部屋の中へ入ってしまいました
うそ
10分くらい診察室で待ちました
先生が一人で診察室に入ってこられて
ヨーゼフが天国に逝ったことを話されました
先生泣きながら
泣きたいのは私です

ヨーゼフが最後の力を振り絞って頭を上げて私を探していたそうです
先生にはそう見えたそうです
先生は私の代わりにヨーゼフの腕をしっかり握ってあげたそうです
午後2時5分
私が涙が溢れて楽譜が読めなかった時間と一緒
ヨーゼフがさよならを言いに来てくれたんですね

看護師さんがヨーゼフを連れてきました
きれいにシャンプーされていました
フサフサです
とってもいいにおい
ありがとうございます
とってもかわいいヨーゼフ
いつも迎えに行くと私にしがみついてくるのに
動かない
病院が用意してくれた花束を持って
タクシーで家までヨーゼフと帰りました

今日はここまで